塗工・印刷・加工試験機 / 印刷適性
- No.2258-I
- [JIS]
- [TAPPI]
- [ISO]
印刷の高級化、多様化に伴いオフセット印刷の利用も多様化し、これらの用紙及びインキに対する要望に対応した印刷適性の評価方法が必要となっています。
一般的に普及している印刷適性試験機では定量的に加湿量をコントロールできないという、オフセット印刷試験での問題点がありました。本機は平版印刷をシミュレートした湿し水装置を始め、印圧、印刷速度、インキ供給方法、印刷のタイムディレーなどの諸条件を細かく設定し、実験室で試し刷りが簡単にできる試験機です。その優れた定量設定・再現性は中質紙、新聞用紙から上質コート紙に至る各種印刷用紙のインキ転移性、毛羽立ち、インキ乾燥性、トラッピング、逆トラッピング、モットリング等の研究に役立ちます。
本機には2つの印刷ユニットと1つのオフセットアタッチメント(加湿装置)、4個のディスクをインキングするインキ練り装置が組込まれております。2つの印刷ユニットはそれぞれ印圧が単独に調節され、印刷速度は無段階に設定できます。第一印刷ユニットで印刷後、第二印刷ユニットに送り込まれるまでの時間(time delay)は設定可能で、wet on wet印刷の種々の試験に利用されます。このタイムディレーを利用して、第一印刷ユニットでプリントした印刷物が、第二ユニットに巻きつけた白紙へ裏移りするset-off試験も可能です。
本機に組み込まれるインキングシステムは、温水循環により15℃~60℃の設定が可能で、4部分に分かれたインキングローラにより均一なインキ皮膜を印刷ディスクに与えます。 ピッキングテストは一定速度での等速印刷テストと0から最高3m/秒まで加速する加速印刷テストが可能です。加速印刷では印圧に関係なく直線的に増速します。
オフセット印刷では、印刷ディスクよりゴムブランケットにインキを移し、ディスクに巻かれた用紙に印刷することも可能です。また、設定印圧を増減しても常に印刷巾に対し圧力を均一に付加する調整機構が内蔵されています。
参考文献 1985 Tappi Coating Conference Proceedings